地球防衛軍 第2広報課

あばよ涙、よろしく勇気!START ALL ENGINE!ここからが本当の戦いだ!!ヒーロー大好きな彼奴らが、性懲りも無く超短期間で恥もせず帰って来ました!!よろしくお願いしますっ!!

【ウルトラ少女】Geed CountZERO【アナザーストーリー】

プロローグ[ベリアル]

時は遡り、世界はまだベリアル銀河帝国が権力を振るっていた時代。
男は、誰よりも帝王の側にいた。
「【ダークゴーネ】か。テメェ、オレ様の影にまで潜んで何をする気だァ?」
誰もいない王の玉座の間で、帝王は側近の名を呼んだ。
「これはこれは【カイザーべリアル】陛下。やはりお見通しでしたか…ご心配なさらず。このダークゴーネ、陛下に手をかけるなどと下賤な行為はいたしません。ただお話がしたく、2人きりになれる時を待っていただけでございます」
「フン!…まあ、いいだろう。テメェは良く働いてくれるからな、たまには耳を貸してやる」
帝王は玉座に腰を下ろすと、男に目線を合わせた。
「我々は、光の国の住民のことを知りません。陛下があとどれだけ玉座に君臨していただけるのかを存じておりません。この銀河はすでに征圧済み…別の宇宙に手を出す前に、ここで一つ跡取りを…がはっ!!」
男が跡取りという言葉を発したと同時に、帝王の赤爪が首元に伸びていた。
「俺たちウルトラ族はな…光の限り生き続ける。光すら捨てた俺にはもう、寿命なんてちっぽけな概念は存在しねぇんだよ!…今度こんな話してみろ。たとえお前でも怪獣墓場逝きだ。解ったらとっとと失せろ」
「で、ですが陛下…その身に万が一でもあれば」
「…何をそんなに慌てている?オレ様は最強だ。お前らの星を滅ぼした時だでさえ、傷1つ負わなかっただろうが。お前に何が見えてる?」
男は一度口を開いたが、一言も語ることなく頭を下げた。
「…陛下の意思の尊重もせず、一方的に申し訳ありませんでした。失礼させていただきます」
男の顔に焦りと安堵が浮かんでいることに、帝王は気付いたが追求せずに部屋から追いやった。
「…ったく、心配性なヤツだ。ん?少し血の気が多すぎたかァ?」
腰をかけ直した帝王は、指先が少し切れ血が滲んでいる事に気がついた。

 

「はぁ…はぁ…気の荒い方だ…しかし、あの星の予知能力者のビジョンはあまりに鮮明過ぎる…対策を練らねば…」
男は息を切らしながらも、医務室ではなく自らの所有する実験惑星を目指していた。
「しかしこれさえあれば…ふふ、ふふ、ふはははは!!陛下、貴方の銀河帝国は不滅ですよ…」
男は不敵な笑みを浮かべ、巨大な無機質な建造物の奥へと消えていった。